歯科医院のホワイトニングは、歯自体の色を明るく白くして、口元の見た目を美しくします。口元が明るくなると、お顔全体の印象が明るくなり、若返りを感じることも多いでしょう。
歯の色は、加齢や生活習慣・遺伝などで黄ばみが気になる場合があります。そのような場合に、歯科医院のホワイトニングは有効な方法です。
ホワイトニングには種類がありますので、自分に合った方法を選択することが大切です。
ホワイトニングには2種類の方法があります。歯科医院で施術を行う「オフィスホワイトニング」と、自宅でマウスピースを装着して行う「ホームホワイトニング」です。
そして「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」を組み合わせて行う方法を「デュアルホワイトニング」と言います。
それぞれに特徴が異なりますので、自分に合った方法を選択するようにしましょう。
混同しがちですが「ホワイトニング」と「クリーニング」は異なる施術です。
「ホワイトニング」は薬剤を使って歯質自体の色を漂白して白くしますが、「クリーニング」は歯の表面の汚れを落とす施術です。
「クリーニング」は、歯の表面に付着したプラークや着色汚れを落とし、歯を本来の白さに戻します。そのことから、「歯を白くする」施術として紹介されることがありますが、歯自体の色を白くすることはできませんので注意しましょう。
定期的に「クリーニング」を行うと、虫歯や歯周病の予防になるほか、ホワイトニングで得た歯の白さを維持させることにもつながります。ホワイトニングとは別に定期的に受けることをおすすめします。
ホワイトニングを行う前に、施術を受けられない場合を確認しましょう。
次の場合はホワイトニングを行うことができません。
■無カタラーゼ症
ホワイトニングでは「過酸化水素」「過酸化尿素」という薬剤を使用しています。無カタラーゼ症の方は、薬剤に含まれる成分を分解できませんので、絶対に行なってはいけません。
また絶対的禁忌ではありませんが、妊娠中の方や授乳中の方は施術を受けられません。
妊娠中や授乳中でも安全だというデータが出ていないためです。念の為施術は中止して授乳時期が終わってから行うのが良いでしょう。
オフィスホワイトニングは歯科医院で行う施術です。
歯の表面にホワイトニング薬剤を塗布し、特殊な光を照射して歯を白くします。1回の施術効果が高いのが特徴です。
1回でも満足いただける事が多いですが、さらに白くしたい場合には数回施術を行うか、ホームホワイトニングと組み合わせて行うのが良いでしょう。
ホワイトニングで得た歯の白さは永遠ではありません。徐々に元の歯の色に戻ろうとする「色の後戻り」が起きます。白さを維持するためには、「タッチアップ」と言って、ホワイトニングの効果が薄れ始めてきた段階で、追加で再びオフィスホワイトニングを行うか、「ホームホワイトニング」を追加で行うのが良いでしょう。
ホームホワイトニングは、歯科医院で自分専用のマウスピースを作製した後、自宅でマウスピースを装着して歯を白くする方法です。
1回ではなかなか効果は現れず、1日2時間程度の装着を2週間〜3週間続ける必要があります。白くなるのはゆっくりですが、薬剤がじっくりゆっくり浸透するので、「色の後戻り」も穏やかなのが特徴です。
「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」を組み合わせた方法です。
両方のメリットが組み合わさるため、歯の白さをすぐに実感することができ、色の後戻りも穏やかです。とことん白くしたい方にもおすすめの方法です。
オフィスホワイトニングで一気に歯を白くした後、ホームホワイトニングで白さを定着させながら更に白くしていきます。
ホワイトニング効果が薄れてきたと感じた場合に、追加でホームホワイトニングを行うのも良いでしょう。
ホワイトニングの効果の現れ方には個人差があります。また白くなりにくい歯・白くならない歯もあるので知っておきましょう。
ホワイトニングで得られる白さには個人差があります。肌の質が人それぞれ違うように、歯の質にも個人差があるためです。
特にグレー系の色をしている方は白くなりにくいため、希望の白さにならないことがあります。また歯の表面に線のようなものや、白っぽい点が見られる場合、ホワイトニング後に色ムラが出てしまうことがあります。
虫歯治療で詰め物や被せ物をしている部分は、白くなりません。色が綺麗なものにやり替える方法があります。ホワイトニングを行った後、色が落ち着いた頃、希望であれば「やり替え」を行うと良いでしょう。
ホワイトニングを行った後、一時的に知覚過敏を起こすことがあります。冷たいものがキーンとしみるような症状です。
施術前の時点で知覚過敏の症状がある場合には、ホワイトニング薬剤によって悪化してしまうことがあるので、事前にご相談ください。
ホワイトニング直後は、歯の表面を守っている「ペリクル」という被膜がない状態になります。そのため歯は影響を受けやすく、着色が起こりやすくなっています。48時間経つと、再びペリクルが再生されますので、それまでは着色が起こりやすい食べ物を控えるようにしましょう。
ホワイトニング後に食べて良いものと避けた方が良いものを確認しましょう。
ホワイトニング直後でも着色しにくい食べ物であれば、食べても問題ありません。色が白い食べ物をイメージするとわかりやすいです。いくつか例を紹介していきましょう。
■白米
■白身魚
■ホワイトソースを使って料理
■クリームパスタ
■ヨーグルト
■白いパンなど
調理をする時は、塩や出汁などで味付けを行い、醤油・ソースなど色の濃い調味料を使わないようにしましょう。
飲み物は、牛乳・水・白色のジュースなどがおすすめです。お茶やコーヒー類、色のついた飲み物は避けましょう。
ホワイトニング後は、ポリフェノールやタンニンを含む飲食物は、着色の原因になるので避けた方が良いです。具体的な例は次のとおりです。
■トマトソース
■カレー
■チョコレート
■ケチャップ
■キムチ
■醤油やソースなど色の濃い調味料
■レモン
■ブルーベリーやストロベリーなどのベリー類
■お茶やコーヒー類
■赤ワイン
■炭酸水
レモンは、色が薄いですが、酸味が強いので歯に刺激になることがあるので避けるようにしましょう。また、炭酸水も色に関わらず控えるようにしましょう。歯の表面のカルシウムを溶かし、傷つける可能性があります。
ホワイトニング後、できるだけ再着色を予防するためには、きちんとケアを行うことが大切です。ケアのポイントは次のとおりです。
ホワイトニング後48時間が経過すれば、全てを控える必要はありませんが、着色しやすい飲食物を控えると再着色しにくくなります。食事をした後、最後に水を飲むだけでも予防になりますので、注意すると良いでしょう。
また喫煙は再着色しやすくなります。喫煙は見た目への影響だけでなく、歯周病になりやすいなど、お口の中への悪影響が非常に大きいです。ホワイトニングをきっかけに禁煙を検討してみてはいかがでしょうか。
毎食後、しっかり歯みがきをすることで着色を予防できます。外食など歯みがきが難しい場合には、食後にうがいをすると良いでしょう。
ホワイトニング用歯磨き粉では、歯自体を白くすることはできませんが、着色汚れを浮かせて落とし、再着色を予防します。
歯科医院のクリーニングでは、専用の器具とペーストを使って、普段の歯みがきでは除去しきれない汚れを取り除きます。歯を白くすることはできませんが、ホワイトニングで得た歯の白さを維持するのに向いています。